「女って本当意味がわからない! ••••ああっ、もう!!」
あなたはこんなふうにうまく言葉にできない苛立ちを女性に感じたことはありませんか?
男女がケンカしてしまう理由の一つに価値観の違いがあります。お互いに相手に求めていることが違うため、スレ違いからケンカになってしまうのです。
その原因としてよくあるのが “ストレス(問題や悩みごと)への対処の仕方” です。
何か問題が発生したとき、
男は解決策がわかればスッキリする。
女は話を聞いてもらえればスッキリする。
こうした違いがあって、それがときにケンカの原因になってしまうのです。
男と女の問題解決方法の違い
悩み事や心配事ができたとき、男と女では問題へのアプローチの仕方が違い、また相手に求めることも違っています。
男性のストレス(問題や悩み)へのアプローチの仕方
男にとって問題とは “解決するべきもの”。
男性はこのように問題解決志向なため、その方法がわかることでスッキリできて、いつもの自分に戻ることができます。
そのため「問題に集中したい」と考えるので、余計な雑念を排除したがる傾向にあります(一人になりたがる人も多い)。そうやって外界をシャットアウトすることで落ち着きを取り戻し、じっくり腰を据えて問題に取り組むのです。
また困難に陥ったときに “自力でなんとかする” という人間の原則に忠実な男性は、独力で解決することにプライドを持っています。そのとき自分を支えてくれるのは過去の経験です。これまでに乗り越えてきた困難を振り返ることで自分を勇気づけます。
「これまでも俺は多くの困難を乗り越えてきた。このくらい大したことない••••!」
こうして問題を過小に見ることで “乗り越えられる問題” として自分を奮い立たせるわけです。
それでもどうしても “キビシイな” と感じたときに、はじめて他者に相談します。男性にとって相談とは “問題を解決する手段”。そのため相談相手は “問題を解決できそうな人” です。また相談される側の男性もそのことをよく理解しているので、具体的な解決策を提案することで期待に応えようとします。
女性のストレスへのアプローチの仕方
一方、女性にとって問題とは “共有するもの”。
人との繋がりを重視する女性は、自分の抱える問題や悩みを他者に共感してもらうことでスッキリし、いつもの自分を取り戻すことができます。
そのため、「話を聞いてほしい」と考えるので “親身になって話を聞いてくれる人” を探します(気づいてほしい、と思う人も多い)。そうやって自分の気持ちをわかってもらえる人と繋がることで安心感を覚え、落ち着くことができるのです。
また、元来助け合いの精神を強く持つ女性は、困難に陥ったときに人に頼ることや助けてもらうことに抵抗や躊躇いをあまり感じません。話を聞いてもらって「うんうん、わかるよ」と自分の気持ちを共有してもらうことで、抱えている荷物を一緒に持ってもらっている気持ちになれて、荷物が軽く感じるのです。そうすることで、
「私は一人じゃない。私を支えてくれる人がいる」
そう勇気づけられて、問題に取り組むポジティブな気持ちが湧き上がってくるのです。
こうした理由から女性は他者に相談することに躊躇いがありません。女性にとって相談とは “悩みごとを聞いてもらう場” のことで、要するに “愚痴聞いて”。そのため相談相手は ”信頼している人” です。また相談される側の女性もそのことをよく理解しているので、相手の話に口を挟むことなく聞くことに徹し、気持ちに共感してあげることで期待に応えようとします。
問題なのは・・・
ここまで読んでもらえれば、男性と女性ではストレスへの対処の仕方がまったく違うこと、そして相手に求めていることの違いもわかってもらえたのではないでしょうか。
その違いにこそ、男女がケンカになってしまう原因があります。
女性がしがちな失敗は、悩んでいる男性にあれこれ話しかけてしまうこと。
男性がしがちな失敗は、悩んでいる女性を一人に放っておいてしまうこと。
そう。お互いに “自分がしてほしいことを相手にしてあげる” ことでスレ違いが起きてしまうのです。
男の沈黙が女性を不安にさせる
ストレスを抱えた男性に女性が話しかけるのは、何も “自分だったらそうして欲しいから” だけではありません。
男性は何か悩みを抱えたときに、他のことが目に入らなくなってしまうこともしばしば。話しかけられても上の空で「ああ」「うん」と生返事を返すだけになってしまうこともめずらしくありません。
それが女性を不安にさせるのです。
なぜなら、沈黙は女性が怒っているときにするもので、そして無視は一番傷つく行為だからです。
男性からすると、ただ考え事に気を取られているだけなのですが、女性は「••••もしかして怒ってる? わたし何かしちゃった?」と不安になり、それを確かめるために話しかけるのです(「無視するなんでひどい!」と不機嫌になる人もいます)。女性が “放っておいて欲しいときに限って話しかけてくる” のは、こうした理由からです。
女性は相談して欲しい
それに気づいた男性が「そんなことない。怒ってない」「ちょっと色々あって••••」と説明しても、それもあまり意味はありません。
なぜなら女性は、男性の悩んでいる姿を見ると「話を聞いてあげないと」と思うからです。悩みごとは話すことでスッキリする女性は、当然男性も同じであると考えるので、「悩みごとがあるなら私に話してみて。そしてらスッキリするから」と親切心からやっぱり話しかけるのです。
また女性にとって相談は “信頼の証” でもあります。女性同士のコミュニケーションでは、お互いに悩みを相談することで信頼関係を作っていくので、そのためパートナーから相談されないと「自分は信頼されていない」と感じて、関係を深めるために余計にコミュニケーションをとろうと頑張ります。しかし男性が相談するのは “問題を解決できそうな人”。女性に相談しないのは無駄だとわかっているからで、信頼しているかどうかはまた別の問題なのですが、それが女性にはわかりません。
「私のこと信頼してないんだ! もういい、知らない!」
そうして怒ってしまうんですね。
女性の過度な心配が男性のプライドを傷つける
男性からすれば考え事の邪魔をされることで更なるストレスを感じるのですが、それに加えて女性の過度な心配がまた男性のプライドを傷つけるのです。
自力で問題を解決することにプライドを持っている男性は、過度に心配されることで、「できないと思われてるんだ」「信頼されてないんだ」とネガティブな気持ちになってしまうのです。
心配されるよりも信じていて欲しいのが男心なのですが、心配性である女性にはそれがなかなかわからないのです。
頼んでもいないアドバイスが男性を不機嫌にさせる
過度に心配するだけならまだしも、最悪なのは悩みを無理やり聞き出した挙句、頼んでもいないアドバイスをしてしまうことです。
これは男性同士なら絶対にしません。
一般的に男性同士の付き合いでは、相手からの求めがない限りけっしてアドバイスはしません。それは、助けを求めない限り “自力で解決できる” という前提があって、それを守ってあげることがマナーだからです。そのため頼んでもいないアドバイスはマナー違反。相手を不快な気分にさせてしまうのです。
そして男は怒る
悩みがあるときは誰かに話を聞いてもらうことでスッキリする女性は、問題を抱えた男性の “一人になりたい” “放っておいて欲しい” という気持ちをなかなか理解できません。そのためあれこれ話しかけるのですが(女性は親切のつもり)、それがストレスを抱えた男性の更なるストレスになってしまっているのです。
問題に集中したい男性にあれこれ話しかけては邪魔をし、イラつかせ、そしてついに「いい加減にしろ!」と怒らせてしまうのです。
女性は話を聞いて欲しい
男がやりがちな最初の失敗は、悩みを抱えている女性を放置してしまうことです。男性は優しさから「そっとしておいてあげよう」と考えますが、このとき女性は「私がこんなに悩んでいるのに放っておくなんて、冷たい人••••!」と不満を募らせています。
女性は悩みや問題を抱えたときに人との繋がりを求めます。そして「話を聞いて欲しい」と思います。このときの女性の理想は、男性の方から気づいてもらって「どうしたの? 何かあった? 話してごらん」と優しく言ってもらうことです。こうした優しさを女性は期待しているのです。
女性はアドバイスよりも共感が欲しい
男性が次にやりがちな失敗は、女性にアドバイスを送ることです。
問題を “解決すべきもの” 、相談を “アドバイスをもらう場” と考える男性は、解決策がわかればたとえ女性がまだ話している途中でもそれを遮ってアドバイスを始めてしまいます(もちろん親切心からそうしている)。
しかし、女性が本当に求めているのはアドバイスではなく共感してもらうことです。
そのため女性は話を遮られるとストレスを感じてしまうのです。
男性と女性では相談の意味が根本的に異なります。女性にとっての相談は “話を聞いてもらう場” であって “問題を解決する場” ではありません。つまり女性の相談は単なる「愚痴聞いて」で、話を聞いてもらって「うんうん、わかるよ」と共感してもらえればそれで満足で、問題自体は別に解決されなくてもかまわないのです(これが男には理解できない)。女性は相手に共感してもらうことで抱えている重たい荷物を一緒に持ってもらっている気持ちになり、心が楽になるのです。
このことを理解していないと “解決策を教えてあげたい男性” と “気持ちを共有して欲しい女性” とでスレ違いが起こってしまい、ときにケンカにまで発展してしまうのです。
女性は話しながら考えを整理する
ストレスを抱えた女性が「話を聞いて欲しい」と思うのは、共感してもらうこと以外にも理由があります。
女性は話すことによって “自分の考えや気持ちを整理する” のです。いやむしろ “気持ちの整理をするために話している” と言った方がいいでしょう。
女性の脳は話をしながら同時に考えることができます。脳梁が太く左右の脳の連結が良い女性は、悩みを話しているうちに自分にとって何が重要でどうすればいいのか気がつくのです。
しゃべっているうちに気持ちと情報が整理されて「あっ、こうすればいいんだ」と解決への道筋を自分で見つけることがほとんどです。女性の多くが「悩みを人に話すことでスッキリできた」という経験を持っているのはこのためです。
だから女性同士の相談は “聞き手は相手の話を遮らない” が暗黙のルールになっているのです。
解決方法
ストレス(問題や悩み)を抱えた男女がスレ違いからケンカになってしまうのは、お互いの価値観の違いと求めていることを知らないからです。
しかし逆を言えば、相手の求めていることを理解できていればケンカを避けられるだけでなく、適切なサポートでパートナーを喜ばせることができるのです。
女性が男性にしてあげること
もし彼が何か問題を抱えているときは、そっと一人にしてあげてください。このとき男性が望んでいることは心配されることではなく、「あなたならできる」と信頼されることです。それが一番嬉しいのです。
男性が女性にしてあげること
もし彼女が何か問題を抱えているときには必ず「大丈夫? 何かあった?」と優しく声をかけてあげてください。決して放っておいてはいけません。やがて女性が何か話し始めたら、共感しながら聞いてあげてください。このとき最も大切なことは解決策やアドバイスを言わないこと。あなたは “聞くだけ” で十分役割を果たしています。女性は “彼が親身になって話を聞いてくれた”。それだけであなたからの愛情をちゃんと感じていますから。
まとめ
- 男女のケンカの原因の一つは、価値観の違いによるスレ違い。
- 問題を抱えたとき、男は解決策がわかれば、女は話を聞いてもらえばスッキリする。
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